こんにちは、TAKです。
今回から、「ゼロから学ぶ」と題して会計の基本を一つずつ解説していきたいと思います。
1. 「簿記」の勉強を始めてみたい方
2. ビジネスセンスを磨くため、「会計」の基本を身につけていきたい方
3. 自社の管理業務に活かしていきたいと考えている管理層の方
そもそも「簿記って何?」という方は、最初に下記の記事を参考にしてみてください。
今回抑えて欲しい用語や論点を最初に紹介しておきますので、最後に自分なりの言葉で簡単に説明出来るようにすることを目指してみてください。
1-1. 会計期間 1-2. 期首/期中/期末 1-3.期中取引(期中仕訳) 1-4. 決算取引(決算仕訳)
2-1. 財務諸表を作るまでの簡単な流れ(仮)
2-2. 帳簿 2-3. 試算表(前T/B) 2-4. 財務諸表(F/S)
2-5. 証憑 2-6. 仕訳(J/E) 2-7. 仕訳帳と総勘定元帳 2-8. 決算仕訳 2-9. F/Sの種類
2-10. 財務諸表を作るまでの流れ(完)
会計期間とは何か?
会計期間とは?
最初に基本的な用語から見ていきましょう。
財務諸表を作るまでの全体像を理解することを目的としていますが、まずはその前に知っておいて欲しい用語が「会計期間」「期中取引」「決算取引」です。
下記に示す図が全体イメージです。
「会計期間」というのは、その名の通りスタートと終了からなる「会計ルールに基づいて設定された期間」のことで、一年の期間が設定されます。
会計期間のスタートのことを「期首」、会計期間の終了時点を「期末」、その間を「期中」と言います。
ここで、会計期間を設定する理由するのはなぜだと思いますか?
それは、企業は継続して事業をすることを前提としており、意図的に期間を区切ることで業績を把握することが可能となるためです。
期間を区切った業績が把握出来ることで、上場企業であれば「xx期の業績」を株主や投資家に開示することが出来ますし、非上場企業でも「xx期の業績」に関する報告を役員や外部者(銀行や税務局等)に開示することが可能になりますよね。
ちなみに、個人(個人事業主)の場合は会計期間は暦年単位(1/1~12/31)となり、法人の場合には自由に設定することが可能となります(日本企業は3月決算が多いです)。
期中取引と決算取引
以上を踏まえた上で、「期中取引」と「決算取引」の違いについて理解を深めていきましょう。
名前から想像出来るかもしれませんが、期中取引は会計期間の期中に行われる通常の取引のことを意味します。対して、決算取引は期末時(決算時)に行われる年に一度の取引のことを意味します。
ここではイメージしやすいように「取引」という言葉を用いていますが、この期間に行われる仕訳をそれぞれ「期中仕訳」「決算仕訳」と呼んだりします。
「期中」と「決算」の違いについて理解してもらえれば問題ありません。
簿記取引の全体マップ
財務諸表を作るまでの簡単な流れ(仮)
では実際に「財務諸表を作るまでの流れ」について、段階をわけてみていきたいと思います。
「財務諸表」の詳しい意味や内容については、次回以降見ていくので、今は「企業の成績表」のようなイメージを持ってもらえれば十分です。
まず、ざっくりとした「財務諸表を作るまでの流れ」は下記のようになります。
ここでのポイントは、「期中」と「決算」の段階で作られる資料(書類)が異なるという点です。
日々の取引につき、期中取引(期中仕訳)で「帳簿」という企業の家計簿が作られます。
そして、一年分をまとめた「試算表(前T/B)」を作り上げます。
この試算表(前T/B)というのは、「決算整理仕訳」という調整を加味する前段階のイメージです。
最終的に作り上げる「財務諸表(F/S)」は、調整前の「試算表(前T/B)」に「決算整理」という調整を加味した上で完成します。
ここでは「段階別に資料が作られ、最終的に財務諸表が作られている」と理解しておいてください。
財務諸表を作るまでの流れ(完)
上記までの理解を踏まえて、より詳細な財務諸表を作るまでの流れを見ていきましょう。
最終的に理解してもらいたい結論部分「財務諸表を作るまでの流れ」が下記の図となります。
図の下半分が新しく追加した部分となります。
・証憑・・・取引が行われたことを客観的に証明する資料(紙資料 or 電子資料)
・仕訳・・・取引結果を可視化するための具体的なツール。会計システムに仕訳を入力することで、帳簿、試算表、財務諸表を作り上げることが可能となる。
・決算仕訳(決算整理仕訳)・・・決算で必要となる調整事項を反映するための仕訳
簿記3級では期中仕訳や帳簿に関する問題も出題されますが、簿記2級・1級・公認会計士試験になると、前T/Bが与えられた上で細かい取引に対する決算仕訳を考え、最終的に財務諸表を完成させる問題が多くなります。
まとめ
「簿記3級は簡単だし、資格を持っていても仕事で使えない」という人もいますが、それは本質を理解していない証拠なので気にする必要はありません。
簿記3級を通じて、取引の全体フローと仕訳を理解し「各取引が財務諸表にどのような影響を与えるのか」をこれからしっかりと理解していきましょう!
今回の記事内容はYouTubeでも紹介していますので、「音声やアニメーション動画の方がわかりやすい!」という方は是非参考にしてみてください。
では今回はこのへんで。