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【ゼロから学ぶ】自動運転技術とは何か(後編)~AI関連性と課題

こんにちは、TAKです。
今回も、モビリティ分野で注目されている「自動運転」について解説していきたいと思います。

【こんな人に読んで欲しい記事です】
1. 自動運転の基本を知っておきたい方
2. AI資格(G検定)を目指している方
3. 自動運転と「AI」の関係性、実用化に向けた課題を知りたい方

前回記事では「自動運転技術の6レベル」を中心に解説しましたが、今回はAIとの関連性や、今後の実用化に向けた課題について解説していきます(前回記事は以下です)。

自動運転技術とAIの関連性

AIに「ドライバーの目」を持たせる

自動運転技術とAI技術がどのように関連しているのか、どの場面で利用されているのかを見ていきましょう。AI技術は人間でいう「脳」をつかさどる部分になる(※)ので、レベル3以上の自動運転技術を前提とした場合、自動運転技術を搭載したクルマは「頭脳を持ったクルマ」ということになります。

(※AI技術の基本が今一つわからない方は、下記記事を参考にしてみてください。)

では実際にドライバーが運転する場合、どのようなことを考えながら運転するでしょうか?
簡単に言ってしまえば、「周囲の状況」に応じて「状況判断」し、「アクセル・ブレーキ・ハンドル操作」をするのが一連の動作になるかと思います。

これを言い換えれば、「認知」「予測」「行動(制御)」の3つのプロセスから成り立っているとも言えます。このプロセスにおいて、AI技術(ディープラーニング)との関連性が特に強いのが「認知」プロセスになります。なぜなら、カメラセンサやAI技術を組み合わせて用いることで、周囲の状況を画像としてとらえた上で、画像に映っている物体が何かを予測させることが可能だからです。

つまり、運転操作に必要な最初のプロセスでもある「周囲の状況」をAI側に判断させることで、クルマにドライバーの目を持たせているということです。

自動運転技術を実現するためのアイテム

これを実現するためには、リアルタイムで周囲の情報を取り入れるための「センサー」や、入ってきた情報を学習・判断させるための「AI搭載チップ」、大量のデータを瞬時に高速計算するための「処理能力の高いコンピューター」などのアイテムが必要になります。このうち、処理能力の高いコンピューターとしては、NVIDIAが開発した「NVIDIA DRIVE」のような車載専用コンピューターGPUが代表格としてあげられます。

こういった環境を構築することによって、周囲の状況を画像として取り込み、大量のデータから重要な特徴量を抽出した上で、最終的に認識した対象が「人」か「障害物」なのかを判断します。その判断結果に基づいて、人と認識した場合には「停止」、障害物と認識した場合には「避ける」または「停止」といった予測を行い、その行動を取るようにシステム制御するというのが一連の流れとなります。

AIが正確な物体検知を常にリアルタイムで行う必要があることから、AI技術の精度はもちろん、ビッグデータ処理に耐えられる計算資源の重要性がわかるかと思います。

実用化に向けた今後の課題

では次に、自動運転技術の実用化に向けた課題について紹介していきます。
前回記事で紹介したように、日本では令和2年から「レベル3の自動運転技術」を搭載したクルマの走行が高速道路などで認められるように法改正されました。

少し復習になりますが、レベル3の自動運転技術がどういったものか覚えていますか?
これは運転操作の主体がシステムとなり、ドライバーは緊急時に対応するというものでしたね。
そして、レベル2との大きな違いが、運転操作の主体がドライバーからシステムに移行している点です。

・自動運転技術レベル2:運転操作の主体が「ドライバー」
・自動運転技術レベル3:運転操作の主体が「システム」

実はここが今後の実用化に向けた大きな課題となります。
運転操作の主体がシステムに移行するということは、単に「システムが勝手に運転してくれてすごい」というだけでは済まされず、「もしシステムが事故を起こしたら誰が責任を負うの?」という議論が必要ということです。

つまり、「自動運転による事故が起きた時の責任主体は誰になるのか?」という「AIの法的責任」を考えることが非常に重要であり、今まさに活発な議論と法整備が進められているのです。

今後の議論や事例に注目していきたいところですが、最近では「AIやロボットに人格を認める」といったような議論や「自動運転システムのハッキングに対するセキュリティ問題の責任はどうするか」といった幅広い法整備の議論がなされていることも是非知っておいてください。

少し話は逸れますが、AIに強い弁護士もこれから先より増えるのではないでしょうか。
個人的にはそういった方とも一緒にビジネスしていきたいなと思っています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回まで前編・後編と2回にわたって「自動運転技術」について紹介してきました。

「レベル5の自動運転技術早く来て欲しいな~」と楽観的に考えることは簡単ですが、その実現に向けては自動車メーカーの努力に加え、AIモデルの精度向上や大量データを扱える計算資源の確保、さらには利用者が安心安全に暮らすための法整備といったように、様々な分野での努力や協力が必要であることがわかります。

日本においては令和2年から「レベル3」の自動運転が開始となるので、今後の動向から目が離せないですね。今回の記事が少しでも理解の役に立てば嬉しいかぎりです。

では今回はこのへんで。