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「経営者の品格」とは?ストライプ騒動から読み解きます

こんにちは、TAKです。
先日、「earth music & ecology」を展開するストライプインターナショナルの石川社長が、セクハラ疑惑報道を受けて「責任」を取る形で同社代表取締役を辞任するというニュースがありました。

本人は報道内容を否定しているそうですが、SNSで流れてきている内容や従業員からの声を聞く限り、「アウト」でしょう。最近、こういった経営者の情けないニュースを度々見かけるので、今回は経営者の品格について考察してみたいと思います。

【こんな人に読んで欲しい記事です】
1. 部下を持っている「経営者」や「管理職」の方
2. 自分の上司が「品格」を兼ね備えているかを知りたい方
僕は、今ではノマド経営者として自由に働いているので「部下」と言えるような従業員はいませんが、上海のコンサル会社で働いている時は、合計50人程度の中国人スタッフの「部下」がいました。彼らは信頼出来ない上司の言う事は聞かないので、一緒に仕事をする上では「経営者」としての振る舞いを常に意識していました。
タイトルでは「経営者」としていますが、経営者に限らず全ての管理職の方に通じるテーマだと思いますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

経営者が持っているべき「品格」

では実際に、経営者や管理職の方が兼ね備えているべき「品格」についていくつか紹介していきたいと思います。
一般的には、「人の上に立つ立場」であることから、人を動かすために必要な「行動」にフォーカスした「リーダーシップ」や「ミッション/ビジョン」が必要と言われることが多いです。企業経営の観点からは当然重要ですが、今回はそれらについては考慮せず、別の観点から考察をしていきます。

誠実性

一番重要ともいえるのが「誠実性」です。
僕も個人的に重要視しており、仕事の時だけに限らず私生活でも意識しています。

「謙虚さ」と言い換えてもいいかもしれませんが、「人の上に立つ者」だからと踏ん反り返るようなタイプの経営者はもう古いです。高度経済成長期の頃には、こういった「超」トップダウン型の経営者が必要とされていたのも事実でしょうが、少なくとも今の情報化社会では従業員と目線を合わせて一緒に頑張れるタイプの経営者が必要です。

なぜなら一昔前とは異なり、「答え」のない現代社会では、顧客が求める「より最適な価値」をアイディアを出し合って常に見つけて改善していく必要があるためです。
AI技術やブロックチェーン、5Gに代表されるように、常に新しいテクノロジーが台頭しつつある以上、経営者ひとりだけの能力やアイディアだけで前進し続けるのは無理でしょう。

自分より優秀な人材を採用し、常に教えを請うことも出来るような「誠実さ」や「謙虚さ」を持った経営者であるべきだと思います。

客観視

次に必要なのが、「自分自身を客観視する力」です。
簡単に言ってしまえば、人に誇れるような行動をしているか、誇れなかったとしても他人から見られて恥ずかしいような行動をしていないか、ちゃんと行動の主体である自分がわかっている必要があるということです。

今回のストライプの件で言えば、自分を客観視する力はゼロだったと言えます。
「自分が取っている行動が世間に見られたらどうなるか」と視点がなかったからこそ、あのようなSNSが流出→収拾困難→代表取締役辞任といった結果になったのでしょう。
(ここにSNS貼るのはなんか僕がイヤなので、興味ある方は検索してみてください笑)

もちろん、ひとりの女性と誠実に向き合っていて、何かしらの結果その相手に流出させられたのであれば同情の余地はありますが、どうやらそんな感じではないので自業自得ですね。

「事故率」を1%と仮定しても、100人の女性に五月雨的に同じようなアプローチをしたならば、そのうち1人には「リーク」や「流出」といった形で痛手を負います。そういったことも踏まえた「リスク管理」が重要なのは経営者ならばわかっているはずなのに、それすら出来ていなかったようですね。

言行一致

これも人として当たり前なのですが、「言行一致」していることです。
要は、「言っていることとやっていることが同じ」である必要があります。
なぜなら、「有言不実行」に代表されるように、「やるって言ったのにやってない」と思われたら相手からの信頼を損なうからです。

今回のストライプの件もそうですね。
石川社長は内閣府の「男女共同参画会議」の主要メンバーになっていました。
男女共同参画局とは、下記社会の実現を目的とした集まりです。

男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会

社長の権限を悪用したうえで、過去からセクハラ行為をしていたのであれば、「上記のような社会の実現を目指して頑張っている」といわれても、全く説得力ないですよね。

また、メイン事業であるearth music&ecologyブランドにも影響を及ぼしています。
例えば、下記素敵なCMを作っている人たちは、「より多くの人に自社の商品を知ってもらいたい」との一心でしょうが、代表の無責任な行動ですべて台無しとなってしまいます。

アースM&E 20春「服という商品は。~ハノイ篇~」15秒

「服という商品は誰かを不幸せにしていないか」というステキなキャッチコピーが、今回の騒動で一転、不買運動やファン離れを加速させているように思えます。

「品格軽視」が描く最悪のシナリオ

では最後に、上記で紹介したような「品格」が失われた時、どのような影響が起きてしまうのかを見ていきたいと思います。これも「一人一人の意識」が大事なことなので、経営者や管理職の人だけでなく、一組織に所属している人は改めて意識付けしてみてください。
僕自身も、自戒の念を込めて3つほど紹介したいと思います。

【影響①】ブランド力の低下

まずは自社が展開している「ブランド力」の低下を招くことになります。
ストライプインターナショナルは、ファッション事業を中心としたアパレルブランドを展開するB to Cが事業の柱なので、ブランド力の低下が「個人客離れ」を引き起こすことになります。

ただ、展開しているブランドはホームページを見る限りかなりあるので、その観点からはメインブランドの毀損は引き起こすもののリスク分散が働き、ブランド認知が低いものへの影響は限定的かもしれません。

とは言っても、earth music & ecologyへの影響は計り知れず、ファン離れは今後加速するでしょう。

【影響②】信用力の低下

続いては、会社としての「信用力」の低下に繋がります。
先ほどのブランド力と同じ側面はありますが、ブランド力の低下は影響が「部分」的であるのに対して、会社信用力の低下は影響が「全体」的であるのが異なります。

今回のストライプの件で問題視されている別の内容として、「会社の対応」があります。
これは影響力のある有名企業であるにも関わらず、会社としての対応や処罰が「甘い」といった内容です。
「コンプライアンスだけでなく、ガバナンスもダメなんじゃない?」と株主や顧客などのステークホルダーから思われるようになれば、会社としての信用は右肩下がりになるでしょう。

信用を得るのには長い時間を要しますが、信用を失うのは一瞬です。

【影響③】従業員のロイヤルティ低下

最後に紹介する影響が「従業員のロイヤルティ」低下です。
「ロイヤルティ」は「忠誠度」と読み替えてもらえばOKです。
要は、「自分が働いている会社のトップがダメな人間だったら、もうこんな会社で働きたくない」と思われてしまうということです。

少なくとも僕がストライプで働いていたらその日に辞めますね(笑)
「生活費のために辞められない」という方もいるでしょうが、これからは個人で活躍出来る時代なので、こういった騒動をキッカケに自分のキャリアを見つめ直すのは大いに賛成です。

経営者や管理層であれば、従業員を大切にしているかを今一度見直した方がいいと思います。
給料や福利厚生といった待遇面だけでなく、一人一人の個性や能力を評価しているか、コーチングのような面談の機会を通じて従業員の意見にキチンと耳を傾けているか、幅広い視点で見直してみてください。

まとめ

今回は「経営者の品格」について記事を書いてみました。
今回紹介した内容は一部ではありますが、「企業のトップ」や「人の上に立つポジション」にある人は、今一度、自分の行動や価値観を見直してみてください。

「従業員がこれからも自分の会社で働き続けたいと思えるような環境か?」
「自分が新人だったら入りたいと思えるような会社か?」
そんな質問を投げかけてみるのも、何か新しいヒントを得られるかもしれませんね。

では今回はこのへんで。