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【中小企業向け】在宅ワーク導入の「壁」となる課題を紹介

こんにちは、TAKです。
ちょうど一か月ほど前に企業目線で「在宅ワーク導入のコツ」について記事を書きましたが、今回はその続編です(前回の記事は下記ご参照ください)。

【中小企業向け】在宅ワークを効率的に導入する方法を紹介
「在宅ワークを導入したいと考えているけど、何をすればいいかわからない」と悩んでいる方向けの記事です。在宅ワークを導入する必要性から、具体的に導入すべきプロセス、オススメITツールなどを紹介しているので、参考にしてみてください。

2020年3月末現在、新型コロナウイルスの影響は終息する気配がなく、むしろ世界的にも大流行してしまっている状況です。日本でも感染爆発が懸念されている最中ということもあり、今後より一層の在宅ワーク(テレワーク)導入の検討を始める企業が増えていくかと思います。

とは言っても、リソースの限られている中小企業などでは、思っている以上に在宅ワークの導入には高いハードルが付いて回ります。そこで今回は、「在宅ワークの導入にはどのような課題があるのか?」を把握することを目的としつつ、ソリューションも合わせてみていきたいと思います。

【こんな人に読んで欲しい記事です】
● 「在宅ワークの導入」を社内で検討している方
● 「在宅ワーク」を導入する上での課題を把握しておきたい方

医療現場やメーカー工場、飲食店など、人との接触が必要不可欠なオフライン事業での導入は難しい傾向にありますが、少しでも多くの企業の参考になるように、今回は世界有数の調査会社Gartnerが発表したレポート内容も取り入れて紹介していきたいと思います。

在宅ワークの導入レベル

自社のレベルを知る

調査会社Gartnerの報告によると、「テレワークにおける実施段階レベル」は6つに分類出来るとしています。これはレベル0からレベル5までの6段階にわけたもので、在宅ワークを導入した場合のレベル感目安として示されています。

この表に記載してある内容は専門的だったり、レベル定義が今一つわかりにくい点がありますが、まず知っておくべきは在宅ワークを導入しているほとんどの会社は「レベル1」相当だという点です。

レベル1の段階は、「在宅ワークを導入している」とは言っても、実質個人が業務を持ち帰り、個人レベルで運用されている、言い換えればオフィスで仕事をしている時のようなチームワークが存在していないレベルとも言えます。

在宅ワーク導入するにあたっては、スピード感を持って取り組むことが重要ですが、まずはこの表を参考に、在宅ワーク導入のレベル感と自社の準備状況を把握することが大切と言えます。

目指すべきレベルとは?

では実際に現状を把握した上で、どのレベルを目指すべきでしょうか?
もちろん導入レベル5を目指したいところですが、企業環境によって目指せる現実的なラインは異なるでしょう。

僕は前回の記事内で、「まずはビジネスプロセスを可視化した上で、内部(社内)コミュニケーションを対象にビジネスツールを導入していく」ことをオススメしましたが、これをGartnerのレベル別運用表に組み合わせると下記のようなイメージになるかと思います。

「コミュニケーション対象」と「チームワーク発揮性」の2軸を右側に加えた表です。
結論から言えば、まずは「コミュニケーション対象を内部に」「チームワークをある程度機能させた」レベル3あたりを目指すべきかと思います。

なぜなら、顧客に価値を提供するレベル5にするためには、顧客満足を満たす品質と期限が担保出来ている必要があるためです。そのためには、まず社内で適切な運用ができるレベルを目指さないと、外部顧客を巻き込んだ時にインシデント(重大事故)に繋がってしまうリスクが高まってしまいます。
「社内で出来ないのに社外を巻き込んだら大変なことになる」ということですね。

まずはコントロール可能な内部だけで在宅ワーク機能を充実させ、その後顧客と在宅ワークに関する協議が出来るように日頃から努めてみてください。

在宅ワーク導入が抱える5つの課題

では次に、在宅ワーク導入が抱える課題について紹介していきます。

Gartnerの調査報告によれば、国内企業の在宅ワークへの取り組みがうまくいかなった要因として、下記5つの課題を取り上げています。

【課題①】資料が自宅から閲覧できない
【課題②】ビデオ会議の品質が安定しない
【課題③】コラボレーションツールの使い方がわからない
【課題④】勤務時間を正確に把握できない
【課題⑤】現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう
これから在宅ワークを導入する企業も、既に在宅ワークを導入していると企業も、こういった課題が存在することを認識し、類似した課題に直面していないかを考えるキッカケにしてみてください。
 
課題内容の概要を簡単に紹介すると、以下のようになります。

【課題①】資料が自宅から閲覧できない

基本的には紙資料での運用・保管がベースとなっているため、いざ在宅ワークを導入しても、自宅からでは必要な資料を必要なタイミングで確認することが出来ないことが要因かと思われます。

【課題②】ビデオ会議の品質が安定しない

コミュニケーションを取る一つの方法として「ビデオ会議」を導入している企業も少なくありません。慣れている企業はともかく、初めてビデオ会議を導入したことで、音声の聴き取りにくさや画質の乱れなどが気になり、結果的に会議に集中できない要因を生み出していることもあるようです。

【課題③】コラボレーションツールの使い方がわからない

表現の仕方は様々でしょうが、コラボレーションツールは要は「ITツール」のことでしょう。
今まで従業員が使ったことがないため、企業が指定したITツールをうまく使いこなせない、というのが主な要因のようです。

【課題④】勤務時間を正確に把握できない

従来からタイムカードやICカードに代表される、オフィス出社を前提とした勤務時間の把握をしているため、オフィスから離れた自宅で勤務することを前提とする在宅ワークでは、従来通りの勤務時間をできないことが要因となっています。

【課題⑤】現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう

シャドーITとは、会社が認めていないITツールを従業員が許可なく業務に使用してしまうことを意味します。会社が承認しているツールであれば問題ありませんが、便利という理由だけでこっそり業務目的でITツールを使用することは、情報セキュリティ(社内の機密情報が外部に漏れる等)の観点からも問題視されています。

課題解決に向けたソリューション

最後に、先ほどの5つの課題に対するソリューションを考えていきたいと思います。
とは言っても、企業環境によって事情が異なる以上統一的なソリューションは存在しないので、アイディアの一つとしてみてください。先ほどの5つの課題を再掲しておきます。

【課題①】資料が自宅から閲覧できない
【課題②】ビデオ会議の品質が安定しない
【課題③】コラボレーションツールの使い方がわからない
【課題④】勤務時間を正確に把握できない
【課題⑤】現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう

【対策①】重要資料はPDF化

1つ目の課題は「資料が自宅から閲覧できない」です。
これに対しては、中小企業は紙資料での保管傾向が強いので、資料に対する優先度を意識した上で「PDF化」するような取り組みを進めていきましょう。そして、企業としての方針を決めた上で、各担当者レベルに業務に必要な資料は存在するのかリストアップしてもらい、管理者として把握するようにしましょう。

PDF化して電子データとして保管しておけば、前回記事で紹介したようなITツールを使って担当者同士でのやり取りも簡単に出来るようになります。

【対策②】なぜビデオ会議?

2つ目の課題は「ビデオ会議の品質が安定しない」です。
この課題を抱えている企業担当者の方に質問ですが、なぜビデオ会議にする必要があるのでしょうか?
「相手の顔が見えた方がコミュニケーション取りやすいからに決まってる」と言われてしまいそうですが、「会議の目的」が達成されさえすれば、相手の顔や表情を見る必要はないです。

冷たいと言われてしまいそうですが、在宅ワークでビデオ会議を導入すると、音声品質に影響を及ぼすだけでなく、自宅を公開したくないという従業員の気持ちを軽視することにもなりかねません。

僕自身も、毎月中国にある会社と取締役会を開催していますが、音声のみで特に問題はありません。
みんなが必要に応じて適切に発言出来る環境を構築することが大事だと言えます。

【対策③】ITリテラシーを高める

3つ目の課題は「コラボレーションツールの使い方がわからない」です。
これに対しては、従業員のITリテラシーを高めるほかないでしょう。
様々なバックグラウンドを持った従業員がいるかと思いますが、現代社会ではある程度のITリテラシーを持っていることは必須です。

特に、前回記事で紹介したようなビジネスコミュニケーションツールは、ユーザー目線で使いやすいインターフェースを搭載しているので、「ITを使えない」というのは大きなボトルネックとなります。
従業員のリテラシーを高める方法については下記記事で紹介していますので、興味のある方は参考にしてみてください。

【対策④】従業員別の成果物KPIを定める

4つ目の課題は「勤務時間を正確に把握できない」です。
これも2つ目の課題と似ていますが、「勤務時間を正確に把握」する必要性はあるのでしょうか?

「従業員が在宅ワーク時にも適切に業務をしているか確認するため」といったのが共通項となるでしょうが、仮に遠隔で監視出来るシステムがあったとしても、従業員のパフォーマンスは下がる一方でしょう。
なぜなら、人は監視されている環境下では「本来の力」を発揮できないためです。

監視体制の中で働いているかという表面的基準を設けるより、日々の成果物の品質を重視した本質的基準を設けるべきではないかと思います。これをすることで、実は会社に出社してるけど「何も価値を生み出していない」従業員(役職持ち含む)を把握出来るので、個人的には即効性ある方法だと思います。

とは言っても、「どうしても在宅ワークの見える化を実現したい!」という企業担当者の方も多いと思うので、そういった方は下記在宅ワークに特化したサービスを参考にしてみてください。

【対策⑤】従業員への意識付け

最後5つ目の課題は「現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう」です。
これは5つの課題の中で一番対応が難しいのではないかと思います。

なぜなら、ITリテラシーが高い人ほど、効率性や利便性を求めてシャドーITを利用してしまう傾向があるからです。「会社は○○を使うように指定してるけど、△△の方が便利なんだよな」みたいなニュアンスで悪気なく使ってしまっていることも少なくないと思います。

そのため、対策方法としては常日頃から従業員に「しつこい」くらい意識付けをすることです。
そして、違反が発覚した場合にはそれ相応の罰則を適用するのが現実的な方法になるでしょう。

僕が上海で働いていた時の話ですが、中国人はwe chatやQQといったSNSでのやり取りを好みます。スピード感を実現出来るので個人的には好きですが、経営者としてはリスクしか感じませんでした。情報漏洩だけでなく、「顧客へのコミット」という観点からも、指定ツールを使うような体制と教育を心掛けていました。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は「在宅ワークのポイントと課題」について解説しました。

冒頭でお伝えした通り、絶対的な答えがないからこそ難しいのですが、社内体制を見直すいい機会になるはずです。在宅ワークの導入に興味があるのであれば、是非リーダーシップを発揮して導入するようにしてみてください。

では今回はこのへんで。