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【ゼロから学ぶ】実は3回あった!「AIブーム」の歴史を紹介します

AIを学ぶ PR

こんにちは、TAKです。
今回は「ゼロから学ぶシリーズ」として「AIの歴史」について紹介したいと思います。

【こんな人に読んで欲しい記事です】
1. 「AI」について理解を深めていきたい方
2. 「AIの歴史」を簡単に知っておきたい方
2020年現在、AI技術が様々な製品やサービスに実用化されることで話題になる機会が増えていますが、実はこのAIブームって過去に2回(今を含めて3回)あったということをご存知ですか?
今回は計3回のAIブームに触れることで、「AI技術がどのように進化してきたか」「なぜ過去2回のAIブームは過ぎ去ってしまったのか」「現代のAI技術はブームで終わるのか」について解説していきたいと思います。

第1次AIブーム

「推論と探索」の時代(1950年代~1960年)

ではまず第1次AIブームから見ていきましょう。
第1次AIブームは、今から半世紀以上前の1950年から1960年代にかけて起こりました。

この時代は1946年に世界初の汎用コンピューター「エニアック(ENIAC)」が開発されて間もないことから、コンピューターによる「推論と探索」が盛んだった時代でした。

「推論と探索」を簡単に理解するためには、「迷路」をイメージするとわかりやすいかもしれません。
複雑な迷路の場合、分岐がいくつもあり、スタートからゴールまで何通りものルートがありますよね。
こういった場合分けと正解ルートを辿る方法が「探索」と言われるものです。
すべてのルートを探し(探索)、どのルートが道に迷わず正解までたどり着けるかを予測(推論)するといった技術が盛んな時代だったのです。

現代では迷路に限らず、オセロやチェスのようなボードゲームや、DB(データベース)へのアクセスなどにも使われている考え方が、当時は盛んだったということですね。

第1次AIブームの特徴とは

第1次AIブームは「推論と探索」と言われる時代でしたが、具体的な特徴としては何があげられるでしょうか?

第1次AIブームの具体的な特徴としては、「ダートマス会議」と「トイ・プロブレム」の2つがあります。

ダートマス会議というのは、「AI(人工知能)」という言葉が初めて使われた1956年に開催された有名な会議のことであり、厳密には第1次AIブームの特徴ではないかもしれません。ただ、時代としてはエニアックが誕生した10年後に起こった出来事なので、時代背景と合わせて知っておくと良いと思います。

(画像:ScienceABCより引用

もう一つのトイ・プロブレムとは、その名の通り「おもちゃの問題」のことをいいます。
これは、コンピューターが積み木のような限られた空間で出来る簡単な作業に用いられていました。当時は数学の定理を証明することが出来たという点も、ブームを下支えした要因と言われています。

第1次AIブームが冷めた理由

「これがAIブームなの?」と思われる方も多いでしょうが、当時にとっては大きな技術だったのでしょう。
今では当たり前と思われていることも、過去の先人たちの努力や偉業によって支えられていることがわかりますね。

とは言っても、当時のブームはあっけなく冷めてしまいました。
なんとなく理由はわかるかと思いますが、現実問題に全く適用できなかったからです。
トイ・プロブレムをみてもわかるように、積み木やパズルのような簡単な問題は解けたとしても、現実の複雑な問題を解くには至らなかったため、ブームは去ってしまったのです。

ちなみに、当時は冷戦下にあったため、英語とロシア語の間での機械翻訳などが期待されていたようです。

第2次AIブーム

「知識表現」の時代(1980年代)

第1次AIブームが去ってから約20年ほど経った1980年代に、2回目のAIブームが来ました。
この時代は、大量の専門知識をコンピューターに詰め込むという「知識表現」の時代でした。

コンピューターに様々な「知識」をインプットしていけば、賢くなると考えられていたのですね。

第2次AIブームの特徴とは

ではこの第2次AIブームの特徴としては何があったのでしょうか?
有名な特徴としては、「エキスパートシステム」と「人工無能/ELIZA効果」と言われるものがあります。どちらもコンピューターに知識をインプットするという考えから生まれたものです。

エキスパートシステムとは、データベースに大量の専門知識を導入したシステムのことをいいます。
わかりやすい例で言えば、医療分野で大きな影響力があった「MYCIN(マイシン)」というエキスパートシステムがあります。これは、大量のルールベースで構築された診断支援システムで、これを用いることで血液中のバクテリア診断が出来たそうです。もちろん、専門の医師と同等の処方精度ではなかったものの、専門外の医師よりかは正確であったため、当時は注目されていました。

もう一つの特徴である人工無能とは、いわゆる今でいうチャットボットのようなおしゃべりbotのことをいいます。これも、大量の組み込まれたルールに従って、人間の(コンピューター入力を通じた)発言に対して反応しているに過ぎませんが、「まるで人間と話しているみたい」といった感覚を意味する「イライザ効果」という言葉まで生まれたほどでした。

ちなみに、人工無能の元祖と言われるプログラム名が「ELIZA(イライザ)」だったため、このように言われます。

第2次AIブームが冷めた理由

ではなぜ第2次AIブームは冷めてしまったのでしょうか?
第1次AIブームの時と比べても、有用性は上がっているように思えますよね。

ブームが冷めてしまった最大の理由は、大量データの管理コストが大変過ぎたためです。
エキスパートシステムは、誤解を恐れず言えば「辞書」をゼロベースから構築するようなものです。
それをすべてインプットして管理することの大変さは容易にイメージ出来るかと思います。

また、人間の経験や勘といったような言葉にできない「暗黙知」をコンピューターに学習させることが難しかった点も、ブームが去ってしまった理由となっています。

第3次AIブーム

「機械学習と特徴表現学習」の時代(2010年頃~)

第2次AIブームが去って20年ほど経ち、再度AIブームが到来しました。
第3次AIブームのキッカケとなったのは、インターネットの発達とビッグデータ取得の容易さ、そして機械学習や深層学習の登場といえるでしょう。

今では通信ネットワークの高速化を始め、クラウド技術やエッジコンピューティングといった高度な技術が誕生しています。SNSでも容易に情報を収集出来る時代ですので、まさに情報に溺れてしまうくらいのビッグデータ時代と言えるでしょう。

そして、このビッグデータを目的に応じて構築したアルゴリズムに学習させることで、精度の高いモデルを生み出し、実用化することが可能になっているのです。

第3次AIブームの特徴とは

この時代の特徴としては「機械学習」や「特徴表現学習」があげられます。

イメージしやすいように、「物体を認識できるモデル」を作る場面を想定しましょう。
このモデルには、大量のデータをインプットさせて学習させることになるのですが、インプットさせるデータには「特徴量」と言われるものを含んであげる必要があります。

特徴量とは、その名の通り「認識したい物体が持つ特徴的な要素を定量化したもの」を意味します。
リンゴであれば「色や重さ、表面のツヤ」、猫であれば「毛の長さや耳の長さ」などが考えられます。

機械学習であれば、モデル構築時に「何が重要な特徴量となるか」を人間が考える必要があります。
対して、特徴表現学習の一つである深層学習であれば、機械学習のように特徴量を人間が考える必要はなく、機械自体が自ら重要な特徴量を学習してくれる点が大きな違いです。

具体的には、リンゴの写真をモデルに見せれば、わざわざ「色がね」とか「重さはね」みたいな人間の指示を介することなく、写っているいる要素を機械自らが学べるのです。
(結果として、深層学習の中身がブラックボックス化してしまい、人間には特徴量が理解できないといった問題点も現実には議論されています。)

第3次AIブームが冷めない理由

3回目のブームが到来して約10年ほど経ちますが、今後AIブームは去るのでしょうか?
「ブーム」という言葉の定義の観点からは去るかもしれませんが、AI技術自体は今後世の中により一層浸透していくと考えられます。

なぜなら、過去のAIブームとは異なり、AI技術は社会が抱える課題を解決出来るレベルまで進化しているためです。それゆえ、「AIが人間の仕事を奪うのでは?」といった議論が出てきているのも事実です。

「AIと人間の仕事」について理解を深めたい方は、良ければ下記記事も参考にしてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は「AIブームからAIの歴史」を紐解いてみました。

「AIがキラい」「AIはコワい」といった印象を抱いている方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、これから先は「AIと共存」することが非常に大切になります。「AIには出来ない、自分にしか出来ないことを見つけていく」ことがキーワードになっていくはずです。

「今自分に出来ることがない」という方もいると思いますが、少しでもヒントやキッカケになるように、僕のブログではビジネス分野や思考を中心とした内容をこれからも発信し続けていきます。Twitterでも何気ないことですが色々発信しているので、良ければ見てください。

では今回はこのへんで。