AI(人工知能) プログラミング系 AI(人工知能) 思考法

AIが人間の仕事を奪うのは本当か?わかりやすく解説します

こんにちは、TAKです。
今回は「AI」でよく議論される「AIは人間の仕事を奪うのか?」について解説していきたいと思います。

【こんな人に読んで欲しい記事です】
1. 「AIが人間の仕事を奪う」ということについて、今一つピンと来ていない方
2. 「AI」と「人間」の違いについて理解を深めたい方
3. 「AIに仕事を奪われる」と聞いて不安を感じてしまう方

「AIは自動化しか出来ないから自分には関係ない」「シンギュラリティが到来しない限りAIに仕事を奪われることはない」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、2020年今現在のAI技術であっても、人間の仕事はAIに代替される可能性は大いにあります。

シンギュラリティについてはコチラを参照してください。

人間がAIに仕事を奪われないようにするため、もっと言うとAIと人間が各々の得意分野で力を発揮して共存するには何を考えるべきかを目的として解説していきますが、まずは「AIが人間の仕事を奪う理由」について、「AIと人間の労働サービスの質」と「AIに出来ないことは人間に出来るのか?」の2つの側面から考察していきたいと思います。

「AI」と「人間」の労働サービスの質

まず最初に、「AI」と「人間」が提供する労働サービスの質を比較してみます。
ここでの結論を先にまとめておくと、下記のようになります。

「AI」と「人間」が提供する労働サービスの質は「同じ」

なぜなら、僕らが受けた来た教育プログラムの内容が、AIが得意とする分野ばかりだからです。

「計算」「記憶」「思考」

基本的に、僕ら人間が学んで来た内容は「計算」「記憶」「思考」に関する領域に区分できるかと思います。個人差はあるでしょうが「平均的」に考えると、人間が得意として来た分野は「計算」と「記憶」の領域で、「思考」に相当する領域は相対的に苦手と言えます。

言い換えるならば、人間が得意として来た「数学・物理のような計算」や「国語・歴史に代表される知識問題のような記憶」には「正解」があると言うことです。

「正解」があるということは、AIモデルに学習させることが容易であり、AIの得意分野ということを意味しています。これは、AIモデルの仕組みを理解していればイメージしやすいかと思います。

対して、人間が相対的に苦手としている「思考」の領域には絶対的な「正解」がありません。国語の読解問題を想定してもらえればわかりやすいかと思いますが、文脈に沿った解釈や発想力が必要となります。そして、「正解」がないということは、AIモデルに学習させることも出来ないということを意味します。

「詰め込み教育」に代表されるような均質化した教育プログラムはこういった「計算・記憶は得意だけど、思考は苦手」といった人間を生み出し、そういった能力を兼ね備えた人間を社会に輩出することとなるのです。

企業目線から見た「AI投資」と「人材投資」

「人間とAIが提供出来る労働サービスの質が同じだとしても、コミュニケーションが取れる人間の方を使い続けるよ」といった意見もあると思います。これも一つの考え方ですし、別に間違っているとは思いません。ただ、企業は企業価値の最大化を目指して事業活動を続けているので、企業競争力(共創力)を高める観点からは、AI投資はより活発になっていくと思われます。

企業が人材投資した場合とAI投資した場合を比較してみます。

■ 人材投資した場合
・企業は人材投資をすることで、従業員から労働サービスを享受する。
・労働サービスを利用して価値を生み出し、顧客に価値を届けることで「売上」を獲得する。
・享受した労働サービスを消費した結果、企業は「人件費」を計上する。
・投資対象の「人」は「転職・退職」する可能性があり、追加コストをかけて人材探しや教育が必要になる。
■ AI投資した場合
・企業はAI投資をすることで、AIから労働サービスを享受する。
・労働サービスを利用して価値を生み出し、顧客に価値を届けることで「売上」を獲得する。
・享受した労働サービスを消費した結果、企業は「投資に係る償却費」を計上する。
・投資対象の「AI」は「転職・退職」する可能性がなく、メンテンスすれば半永続的に使える。
企業が売上を獲得するためのプロセスは、人材投資の場合とAI投資の場合で基本的に同じです。
両者の提供出来る質が同じと仮定した場合、獲得出来る売上金額も同じと言えます。

唯一異なる点は、企業での終身雇用に対するコミットメントでしょう。
ひと昔前であれば、人間であっても終身雇用が当たり前でしたが、今では終身雇用は崩壊し、より自分が活躍出来る環境を探して転職・独立する人が増えています。その点、AI投資であればメンテンナンスさえ欠かさなければ、実質的に企業での終身雇用を約束してくれます。

すべての企業が人材投資からAI投資にするわけではないですが、より効率経営を目指すようになった企業は、人材投資を最低限に抑え、AI投資中心に切り替える可能性があるということです。

「AI」に出来ないことは「人間」に出来るのか?

「AIと人間の労働サービスの質は同等」ということをお話しましたが、「仮にAIに仕事を代替されてしまったとしても、新しい市場が生まれて、そこで働くことが出来る」という意見があります。
つまり、「AIに出来ない仕事を人間がするようになるから大丈夫」という主張です。

そこで次に、「AIに出来ないことは人間に出来るのか?」を考察してみます。
ここでの結論を先にまとめておくと、下記のようになります。

「AI」に出来ないことは「人間」にも出来ない可能性が「高い」
これは、先ほどの労働の質が同質的という点とも重なりますが、「AIで出来ない分野」で力を発揮するためにはそもそも「AIと異なる力」を持っている必要があり、その力こそが「思考力」だからです。
人間の仕事が「テクノロジーに代替」される歴史

今回は人間の仕事が「AI」に取って替わられてしまう話をしていますが、新しいテクノロジーの発展によって人間の仕事が奪われるというのは、今に始まった話ではないです。色んな本でも紹介されているので、似たようなことを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

新しいテクノロジーが出てきた時に、人間の仕事が奪われ、そして新しい市場が生まれるというモデルを図で表したものが下記イメージです。

新しいテクノロジーが登場した時、人間の仕事の一部が代替され、一部は残ります。
そして、仕事を代替された人は、新しいテクノロジーの登場により生まれた「新市場」に吸収されるか、吸収されずに「行き場を失くしてしまう」かの二択を迫られることになります。

産業革命のようなオートメーション化が進んだときに、ブルーカラーからホワイトカラーの仕事が増えたように、AI技術の進歩も何かしらの新市場を生み出すのではないか、というのがこの章の冒頭でお伝えした主張です。

この主張自体は間違ってないですし、おそらくAIには出来ないような新しい市場(需要)は生まれるでしょう。ただ、この受け皿としての新市場にも限りがある上、AIには出来ない力を兼ね備えている必要があるので、すべての人が吸収されることはないのではないかと思います。

言語化出来ない仕事の大切さ

そもそもAIによって代替される可能性がある仕事とは何でしょうか?
これは一言で言ってしまえば、「マニュアル化出来る仕事」「正解が与えられている仕事」だと思います。

なぜかというと、繰り返しになりますが、AIモデルを構築する時は「正解」データを与えて学習させることで、結果的に人間と同等の労働サービスを生み出すことが可能となるからです。

言い換えれば、マニュアル化出来ない、言語化出来ないような仕事はAIに代替される可能性は低いとも言えます。これをフローチャート化するとこのような感じでしょうかね。

今自分が携わっている仕事が言語化(マニュアル化)出来る仕事か、出来ない仕事かを考えるキッカケにしてみてください。

これから先考えるべきこと

ここまでの話をまとめると、

「AIが人間の仕事を奪う」と言われる理由は、「AI」と「人間」が提供出来る労働サービスの質は同じであり、むしろAIを利用した方がコスパが高いためです。そして、マニュアル化」出来るような仕事はAIに仕事を奪われる可能性が高く、また新しく生まれるであろう「新市場」もすべての「人間」を吸収出来ない可能性が高く、結果的に途方に暮れる人が増える恐れがあるということです。

以上のことを踏まえると、今後どうすべきでしょうか?
それは、「AIに仕事を奪われない」ことを視野に入れつつ、自分にしか出来ないことを見つけることだと思います。下記の図は今までの話をエリア別にわけたものですが、下記図で言えば「右上のエリア」から「右下のエリア」を目指すことが重要となります。

そして、教育プログラムの内容を変えていくことで、将来的には「左下のエリア」にポジションを置ける人材を増やすことが大事かと思います。小学校の英語導入やプログラミング導入もいいですが、もっと優先してやるべきことがあるのではないかとも思います。

「AIの特徴」を抑えつつ、「自分らしさ」や「自分にしか生み出せない価値」を見つけることを意識してみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は「AIと仕事」をテーマに記事を書いてみました。

AIに対する理解を深めつつ、「こんな意見もあるのね」と思って頂ければと思います。
最後に、教育とビジネスの観点からAIについてわかりやすく言及されている書籍を紹介させて頂きますので、より理解を深めたい方は是非読んでみてください。2019年のビジネス賞大賞を受賞されている有名な本です。

では今回はこのへんで。