【合格体験記】AIエンジニアを目指すには「E資格」がおすすめ!試験概要や難易度をわかりやすく解説します

AIエンジニアに興味がある人「AIの知識を深めるE資格があるって聞いたんだけど、一体どんな資格なの?試験の概要や難易度について詳しく知りたい」
こんな疑問にお答えします。
AIエンジニアを目指すならE資格がおすすめ
E資格というのは、JDLA(日本ディープラーニング協会)が毎年主催しているAI(人工知能)に関連する試験です。JDLAが開催するAI系の資格には大きくわけて以下の2つがあります。
- G検定:ジェネラリスト向けのAI資格
- E資格:エンジニア向けのAI資格
ビジネスパーソンとして一般的なAIの教養を高めたい人であれば「G検定」。AIエンジニアとして深層学習(ディープラーニング)の理論やコーディングまで学ぶのが「E資格」といったすみ分けになります。
そのため「AIエンジニアを目指そう」と決めている方は、E資格を目指した方が近道です。
「資格取得=AIエンジニア」というわけではありませんが、AIエンジニアとして求められている知識を網羅的・効率的に学べる手段として最適です。受験者数も年々増加している勢いのある人気資格です。

本記事では、2020年にE資格に合格した僕の経験をもとに「試験概要」や「難易度」について紹介していきます。
本記事の内容
- AIエンジニアの登竜門「E資格」の試験概要
- E資格に合格することのメリット
- 実際にE資格を受けてみた感想と難易度
AIエンジニアにおすすめの「E資格」の試験概要について

E資格はAIエンジニアを目指す方にはおすすめの資格ですが、事前に知っておくべきことがいくつかあります。ポイントを5つにしぼって解説していきます。
E資格の試験概要【ポイントは5つ】
最初にE資格の試験概要「5つ」をまとめておきます。
- 受験資格として「JDLA認定プログラムの修了」が必須
- 試験の開催頻度は年に2回
- 受験会場は指定の試験会場
- 受験費用は高め
- 試験は「120分」の選択式問題
1つずつ詳しく見ていきます。
受験資格として「JDLA認定プログラムの修了」が必須
実はE資格を受験するためには「受験資格」が必要となります。
それは「JDLA認定プログラムを修了している」という条件。JDLAにも以下のように明記されています。

JDLA認定プログラムとは、JDLAが認定している民間企業が提供するプログラムのことです。自分でどの民間企業のプログラムを受講するかを決めて、指定されたカリキュラムを受講・完了する必要があります。
このプロセスを経ることで、JDLA側はAIエンジニア人材の質を担保していると言えます。一定のレベルを超えた受験者のみに「E資格への挑戦権」が与えられるということですね。
認定プログラムを提供している会社は10を超えるので、正直選ぶのが大変です。僕が実際に検討してクオリティが高いなと思った講座3つを紹介しておきます。
- AVILEN:全人類がわかるE資格コース
- キカガク:自走できるAI人材育成コース
- Aidemy:E資格対策講座 “Aidemy Premium”
他にも色々ありますが、この3つが良いです。
(※ただ、キカガクは記事執筆時点で新規募集を停止しています)
もし迷ってどれにしていいかわからない方には、Aidemy Premium
がおすすめです。
- 業界唯一の合格保証制度がある
- プログラミング未経験からでも合格できる
- 100時間以上の豊富な教材
- チューターへの回数無制限の質問が可能
- 数学の基礎から機械学習までしっかり理解できる
- “教育訓練給付金制度”を使って安く受講できる
こういった安心感があるのが理由です。
Aidemyの代表である石川さんが執筆した本「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」に目を通せば、そのクオリティの高さもわかるかと思います。
どの民間企業でもJDLA認定プログラムは少し高めなのですが、Aidemyの講座は厚生労働省の指定講座に認定されているため「教育訓練給付金制度」を適用することが出来ます。これによって、70%は国が支援、残り30%を支払えば良くなります。
詳しくはオンライン無料相談会でも相談できるので、気になる方は参加してみてください。無料ということもあり結構人気です。

いずれにしても、認定プログラムを修了させることがE資格の受験資格となる点は知っておいてください。
試験の開催頻度は年に2回
次に、試験の開催頻度を確認しておきます。
2022年4月時点では、2022年2月と2022年8月の年2回となっています。僕が受けた2020年も2月と8月だったので、開催頻度は基本変わらない気がします。
もう一つのAI資格「G検定」と比べても難易度は高いので、主催側の試験作成の準備なども大変なのでしょう。
詳細はJDLAの公式ページで確認してみてください。
※ちなみにG検定は年に3回の開催となっています。
受験会場は指定の試験会場
続いて試験会場についてです。
G検定ではオンライン受験として自宅で受けることが出来るのですが、E資格は指定の会場で受ける必要があります。具体的には、申込時に全国の指定試験会場から選択する形式となっています。
資格試験というと「どこかの大学まで行かなければならない」という印象がありますが、パソコン教室のような場所で受験することも可能です。実際、僕も地元にあるパソコン教室のようなこじんまりとした空間で受験しました。
そういった意味で、堅苦しい雰囲気の中で受ける必要はないので精神的には楽です。
受験費用は高め
E資格を受験する際には、受験費用がかかります。
この受験、ちょっと高めなのがネックです。2022年4月時点の情報がこちら。
- 一般:33,000円(税込み)
- 学生:22,000円(税込み)
- JDLA賛助会員:27,500円(税込み)
僕が受けた2020年と費用は変わっていませんね。
JDLA賛助会員はココに記載ある会社の人たちのことなので、通常は「一般」か「学生」になるでしょう。
考え方次第ですが、認定プログラム費用と受験費用を「投資」と考えれば、AIエンジニアになって働いた初月分の給料で簡単に「回収」はできる計算になります。
E資格への本気度が試されることにもなりますね。
試験は「120分」の選択式問題
試験概要の最後は、制限時間と問題形式です。
制限時間は「120分」。問題は「選択式」となっています。
「選択式だから楽そう」と思われる方もいるでしょうが、案外難しいです。内容の難しさもありますが、それ以上にボリュームが多い。G検定では広く浅い知識が問われるイメージですが、E資格では広く深い知識がpythonのコードとあわせて問われる感じです。
そういった意味で「120分選択式」でもあなどれません。
具体的な試験範囲(出題内容)は「ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定する」とされています。以下のように試験範囲が公表されています。

ここらへんは、認定プログラムの中で当然カバーされている内容となりますので、今はさほど気にする必要はないかと思います。
あとここには直接的に記載されていませんが、最新の論文や研究結果などについても知っておくことが推奨されます。ここもプログラム内でカバーしてくれると思うので、幅広い内容がE資格では問われるとアンテナを張っておきましょう。
E資格に合格したらAIエンジニアになれるのか?メリットは?

ここでは「E資格」合格のメリットについて考察します。
E資格を取得して「AIエンジニア」と名乗れるかどうかは「自分次第」です。
E資格に合格するメリットは「2つ」
結論、E資格合格には以下2つのメリットがあると思います。
- AIエンジニアを「最短ルート」で目指せる
- 転職市場や社内で評価される
AIエンジニアを「最短ルート」で目指せる
これはなんとなくイメージ湧きますかね。
AI技術は深層学習(ディープラーニング)を根底に成り立つ技術です。そのディープラーニングを中心とする技術を活用して日本の産業競争力を向上させようと設立されたのが「JDLA(日本ディープラーニング協会)」です。
そのJDLAが主催しているエンジニア向けの資格が「E資格」である以上、AIエンジニアを目指すならこれに合格しないほかありません。
身近な人にAIエンジニアがいて、一緒に働ける環境があればそれも理想ですが、そんな人は稀です。すべての人が平等に、知識ゼロからAIエンジニアを目指せる最短ルートとしての位置づけが「E資格」なのです。
本屋でAIエンジニアに必要そうな本を端から読んでいってもいいですが、かなり非効率なのは目に浮かびますよね。ある程度の経験者や知識人ならまだしも、pythonや応用数学などで未経験分野があるなら結構厳しい。
そういった意味でも、E資格に合格することはAIエンジニアを最短ルートで目指せる唯一の手段とも言えます。
転職市場や社内で評価される
みなさんご存知のように、日本は深刻なエンジニア不足です。
加えて、中国のようなAI先端技術を駆使したサービス開発の面でも遅れています。こういった中で日本の企業もAI技術を取り入れた商品開発に躍起になっている傾向がありますが、何よりAIエンジニアが不足しています。
つまり、AIエンジニアへのニーズがハンパなく高い状況です。
そんな中、E資格に合格、AIエンジニアとして働ける実力が身についたらどうなるでしょうか?当然転職市場での評価はうなぎ登りです。
実際、日本でのAI技術の本格的な浸透はこれから先やってきます。その時までに腕を磨いておけば、フリーランスや独立後も引く手あまたの状態になるでしょう。
また、社内での評価も上がる可能性は高いです。「そもそもAIエンジニアって何?」というレベルの会社だと、評価されるかは怪しいですが、IT系やAI導入に力を入れている企業であれば、評価は上がります。
なぜなら、貴重なAI人材流出による損失を被らないためにも企業側は必死になるからです。
E資格を取得すればAIエンジニアとなれるのか?
AIエンジニアというのは、データサイエンティストと同じく曖昧な概念です。
これはエンジニアに限らず、他の多くの職業でも見られる現象。
例えば「Webマーケター」を職業としている人は何を持ってそう名乗っているかわかりません。WebマーケティングといってもSEOに強いのか、オウンドメディアの構築までするのか、A/Bテストなどデータ解析までするかはわからないのです。
これと同じように「E資格を取得したからAIエンジニア」とは必ずしも言えないのが現状です。名乗ることはいいかもしれませんが、実力がともなっているかどうかは別の問題。
大切なのは「AIエンジニア」と名乗ること以上に、自分の力を必要としてくれている人の役に立てるかどうか。つまり、相手の期待値を超える活躍ができるか否かなのです。
E資格を取得してAIエンジニアと名乗ってもいいとは思います。ただ、その力を必要としてくれる人の期待に応えるための実務面での研鑽は忘れないようにしましょう。ここが一番お伝えしたいメッセージです。
実際に「AIエンジニア」としての肩書きが欲しいのであれば、転職してAIエンジニアのポジションに就くか、フリーランスとして活動していくかのどちらかが手っ取り早いかと思います。ここらへんの話はE資格を取得して転職するために必要な「行動戦略」について解説【1つの準備と3つの行動でOK】で詳しく解説しています。
E資格を取得して転職するために必要な「行動戦略」について解説【1つの準備と3つの行動でOK】
AI資格の一つである「E資格」を取得して転職するために必要な準備について解説した記事です。転職を成功させるために必要不可欠な「ポートフォリオ」の作成方法についても解説しているので、これから実際に転職などを考えている方は参考にしてみてください。
実際にE資格を受けてみた感想と難易度

最後に、僕自身がE資格を受験した経験を踏まえた感想を紹介しておきます。
これから受ける方は実際の雰囲気など参考にしてみてください。
E資格を受けた全体的な感想
楽しかったです。
僕はもともとpythonが大好きで、もっと極めたいという単純な想いからG検定→E資格の順に受験しました。自分なりに知りたかったディープラーニングの技術も知れて、その後はフリーランスとしても活動出来ました。
やはりG検定に比べたら難易度は「高い」です。
ただpython以外は未経験の僕でもみっちり勉強すれば合格できたので「手が出ないほど難しい」というわけではないです。
ここらへんは「python習熟度」×「数学への抵抗感や理解度」で大きく感じ方が変わる気がします。
もし「E資格に少しでも興味がある」のであれば、チャレンジしてみる価値は大いにあると思いますよ。
E資格受験「前」の感想
E資格を受験する前の感想も(いらないかもですが)残しておきます。
僕は2019年の9月頃に「G検定」を受験しました。その後に「E資格」を目指そうと決めて、10月頃からJDLA認定プログラムを開始した経緯があります。そこからは、2020年の1月下旬まで必要講義をオンラインで受講し、課題をこなしていく日々を過ごしていました。
最初は「JDLA認定プログラムをこなせず、E資格の受験資格も取れないのではないか」と不安に思ったこともありました。ただ、わからない論点は講師の方に質問したり、テキストで復習することで徐々に実力もついてきたように思えます。
どこの認定プログラムを受けるかで結果も大きく変わると思うので、自分に合いそうな認定プログラムを選ぶようにしてみてくださいね。
E資格受験「中」の感想
試験中の感想も書いておきます。
試験会場は最寄駅から電車で10分程の場所だったので移動はとても楽でした。小さなパソコン教室で受験できたこともあり、適度にリラックス出来たように思えます。
PCが設置された場所で、渡された試験情報(氏名やPCへのログイン情報等)を入力し、簡単なデモページを確認したらテスト開始となります。ここは他の受験会場でも同じでしょう。
JDLA認定プログラムを頑張ったという経緯もあり、試験中は緊張感と高揚感が入り混じっている感覚でした。
ちなみに計算問題を解くために必要となる筆記用具や紙は試験会場で渡されました。また、電卓は持込不可でしたが、PC内の電卓を使えたのでここらへんは特に問題はなかったですね。
実際の試験内容については初見の内容やかなり細かい問題も出題されたという印象でした。見た瞬間に「うわっ」となることもありましたが、落ち着いて解けばなんてことない問題も多かったです。なので、実際に受験される方は慌てず冷静に分析することを心掛けてみてください。
E資格受験「後」の感想
最後にE資格が終わった後の感想。
「やり切った」感覚でいっぱいでした。
合格発表まではドキドキでしたが、その間も(僕の場合は)フリーランスとして活動するために深層学習ライブラリ(PyTorchやTensorflowなど)の勉強や案件探しをするようにしていました。
人によっては「転職活動」や「フリーランス活動」を志す方もいると思うので、合格発表までは準備期間として使うのもおすすめです。ここらへんはE資格受験時の動機や今後のキャリアプランによっても変わってくるでしょう。
フリーランスや副業として案件を探していきたいという方は【フリーエンジニア必見】リモート案件を獲得するためにおすすめのエージェント「5社」を厳選紹介も合わせて読んでみてください。
【フリーエンジニア必見】リモート案件を獲得するためにおすすめのエージェント「5社」を厳選紹介
「フリーのエンジニアとして継続的にリモートや在宅案件を獲得していきたい!」という方向けにおすすめの厳選エージェント5社を紹介している記事です。リモートに強いエージェントの特徴や案件成功率を高めるために必須のアクションについても解説しています。
まとめ:AIエンジニアを目指すならE資格は最適な方法!未経験からでもチャレンジできる。

本記事をまとめます。
- AI資格にはJDLAが主催する「G検定」と「E資格」がある
- AIエンジニアを目指すなら「E資格」が最短ルート
- 試験の難易度は高めだが、しっかり勉強すれば未経験からでも合格できる
- 合格率をあげるためには「認定プログラム」の選定が重要になる
- AIエンジニアを名乗るためには合格後の自己研鑽も必須
- 転職、副業、フリーランスを通じてAIエンジニアとして活躍することも
こんな感じですね。
E資格の存在を初めて知ったという方もいらっしゃるかと思いますが、チャンスは年2回です。
未経験からであれば、人一倍基礎から勉強していく必要もあるので、できるだけ早めに認定プログラムを検討するなどした方がいいでしょう。でないと間に合わなくなるので。
おすすめの認定プログラム、もう一度貼っておきます。
- AVILEN:全人類がわかるE資格コース
- キカガク:自走できるAI人材育成コース
- Aidemy:E資格対策講座 “Aidemy Premium”
プログラミングも未経験の状態からAIエンジニアを目指したい方は、プログラミング未経験からでもAIエンジニアを目指せる勉強法を公開【必要なスキルセット付き】で勉強法を紹介しているので参考にしてください。
プログラミング未経験からでもAIエンジニアを目指せる勉強法を公開【必要なスキルセット付き】
「プログラミング未経験だけど、AI人材を目指してみたい」と考えている方向けに、AI資格を保有している僕が実体験を踏まえて詳しく勉強方法を解説した記事です。ある程度知識がある方にもオススメの勉強方法を紹介しているので、より高みを目指したい方は是非参考にしてみてください。
E資格をフル活用して、最強のAIエンジニアを目指してください。