自分の「オモイ」を整理する2つのアプローチを紹介します
こんにちは、TAKです。
「言いたいことがうまく伝えられない」「頭の中がモヤモヤしていてうまく自分の意見を伝えられない」そんな時ってありますよね。日常生活だけでなく、仕事の場面でも悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
日常の場面:ちょっとしたことの積み重ねでテンパってしまう
仕事の場面:単純なことでも積み重なるとごちゃごちゃになってしまう
以前、自分の意見をうまく伝えられないと悩んでいる人向けに記事を書きましたが、今回は自分の思考を整理する方法にフォーカスしていきたいと思います(以前書いた記事がコチラです↓)。
「どうすれば頭の中を整理出来るのか?」「頭の中が整理された状態とするには?」といった疑問を解消していきたいと思います。
1. 自分の思考を整理したいと悩んでいる方
2. 「演繹法」「帰納法」といったアプローチについて理解したい方
人間が持つ思考のクセ
いきなり演繹法と帰納法の話をする前に、「なぜ今回この2つの思考法を紹介するのか」「なぜこの2つのアプローチが自分の思考法を整理するのに役立つか」について解説していきます。
そのために、まず人間が持つ思考のクセについて理解してもらいたいと思います。
買い物メモは7個まで?
いきなりですが、「マジックナンバー7」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、心理学者ジョージ・ミラー氏の論文で使われた造語で、だいたい人間が暗記出来る内容は7個前後という意味です。もちろん個人差はあるでしょうが、意味なく雑然と並んでいる文字を覚えることって難しいですよね。
僕はよく仕事の帰りに奥さんのお遣いでスーパーで買い物をして帰ります。
以下はある日頼まれた買い物メモです。
・もやし ・豆腐 ・ニンジン ・しめじ ・牛乳 ・卵 ・ポン酢
・チーズ ・鮭(3枚) ・豚肉 ・コーヒー ・アイス ・お菓子
暗記法を使う方法もありますが、わざわざそんな方法を使わなくても、買い物メモを覚えやすくするコツはあります。それは「グルーピング」です。
僕はこういった買い物を頼まれた時、頭の中で以下のようなグルーピングをすることで、思考を整理するトレーニングをしています。
この分け方は我が家特有なので、同じように分類出来る必要はありません。
ポイントは、買い物メモ一つとっても、何かしらの基準でグルーピングすることが出来れば、理解しやすくなるという点です。
この例では「蒸ししゃぶ献立」「乳製品」「食後スイーツ」とグルーピングすることで、買わなければいけないカテゴリを抑えておくことが可能となります。
人間は「関連性」を見出す
買い物メモは一つの具体例ですが、人は何か物事を見た時に、自然と頭の中で共通項がないか、共通項でグルーピング出来ないかと考える思考のクセがあると言えます。
言い換えれば、物事の関連性を見出したり、物事の体系づけをする傾向にあるということです。
何かしらの関連性を見つけることで物事を理解しやすくなり、脳に負担がかからないので、そういった思考のクセや傾向があるのも当然かもしれませんね。
つまり、今回のテーマである「頭の中を整理したい」「思考をクリアにしたい」といった人は、直面している問題をうまく関連付けしたり、体系立てることが出来ていないと言えそうです。色んなことが積み重なって複雑化しているため、そのゴチャゴチャの状態を紐解くための「共通項」が見つからないために悩んでいるとも言えます。
これを解決する糸口が、今回のメインとなる「演繹法と帰納法」という論理思考なのです。
ここまでの話をまとめておきますので、しっかりと理解した上で次に進むようにしてくださいね。
■ 思考をクリアにするために「2つのアプローチ」が必要となる理由
・人間には物事の関連性や共通項を見出そうとする「思考のクセ」がある
・物事の共通項が見つかった場合 → 思考がクリアになるため、特に悩まない
・物事の共通項が見つからない場合 → 思考がモヤモヤになるため、悩んでしまう
・物事の共通項を見つけ確認する方法として、「演繹法」と「帰納法」の2つが存在する
グルーピングする2つの方法
では実際に、物事の共通項を探しグルーピングする方法である「演繹法と帰納法」について見ていきましょう。最初に大切な点をお伝えしておくと、この2つの方法に優劣の関係はなく、ケースごとに使い分ける必要があります。
考え方のポイントを理解して、今悩んでいることにどちらのアプローチが適しているか、どちらの方法なら思考を整理出来るか、少しずつ訓練して実践出来るように心がけることが大切です。
論理思考その1:演繹的アプローチ
演繹的アプローチのポイントを理解してもらうために、いきなり具体例をあげてみます。
● ソクラテスは人間である
● ゆえに、ソクラテスはいつか死ぬ
「え?」と思われた方もいるでしょうが、これは有名な具体例です。
別名、「三段論法」とも言われるのですが、このアプローチのポイントは下記3つです。
1. 「一般ルール」→「個別事項」→「当てはめによる結論付け」のステップで構成
2. 人間の考え方のプロセスと似ているため、問題解決に使われやすい
3. 演繹法は互いの関係から結論を導けるため、ロジカルな意見を伝えられる
ポイントの1つ目がわかりにくいと思うので、もう一つ別の具体例をあげます。
● うちのタマはネコである
● ゆえに、うちのタマは哺乳類である
その2つを当てはめた結果、3つ目で結論を述べている流れが「演繹法」の考え方です。
何でもかんでも並べればいいわけではありませんが、物事の互いの関係を意識することが出来ればロジカルな考えを組み立てることも可能となるので、このアプローチで思考を整理出来ないか、是非チャレンジしてみてください。
論理思考その2:帰納的アプローチ
では次に帰納的アプローチについてです。
これは、先ほどの買い物メモの具体例で使った方法になります。
買い物メモの例では、3つのカテゴリ(「蒸ししゃぶ献立」「乳製品」「食後スイーツ」)に分類したかと思いますが、その考え方こそが帰納的アプローチということですね。
少し別の具体例をあげてみたいと思います。
● コンビニやスーパーで糖質制限の食品が増えている
● テレビで予防医学に関する番組がよく放送されている
→ 最近は「健康ブーム」になってきている。
これが「帰納法」の考え方であり、「演繹法」に比べて理解しやすいのではないでしょうか?
このアプローチは、似たようなカテゴリの物事から、共通して言える概念を導く方法とも言えます。
このアプローチのポイントは下記2つです。
1. 複数の物事に共通する点を見つけ、一つのグループを導き出す方法(ボトムアップ的)
2. 一つの答え・結論から、それを構成する要素を同一カテゴリで分類する方法(トップダウン的)
簡単に言ってしまえば、「買い物メモ」の例でも「健康ブーム」の例でも、細々した内容から共通項を自分なりに見つけるというのが帰納的アプローチの考え方です。
自分が悩んでいることを書き出し、何か共通点を一つのグループとしてまとめることが出来れば、この帰納的アプローチが使えるでしょう。
以上が、論理思考の基本となる「演繹法と帰納法」の考え方となります。
最初は使いどころが難しいと感じるかもしれませんが、自分の悩んでいることを自分のコトバで紙に書き出し、思考の言語化をすることが1stステップとして大切です。その上で、物事の関連性から結論を導き出せそうなら「演繹的アプローチ」を使い、共通のカテゴリでまとめることが出来そうなら「帰納的アプローチ」を使うことをオススメします。
いずれの方法においても、結論を構成する内容は横の関係で繋がっていることを意識して、自分のグルーピングが適切に出来ているかを確認してみてください(演繹法と帰納法をごちゃまぜで使うのはNGです)。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は自分の頭の中を整理する思考法として、「演繹法と帰納法」について紹介してきました。
結構奥が深く、細かく説明すると専門的になり過ぎて逆にわからなくなってしまうので、基本的な考え方をしっかりと理解するようにしてもらえればOKです。
目的は「自分の頭の中のモヤモヤを解消し、思考をクリアにすること」なので、少しずつ思考の練習をしてみてくださいね。
では今回はこのへんで。