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会社設立時の「会計処理」について仕訳付きで解説します【創立費と開業費の違いがポイント】

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会社設立時の会計処理を知りたい人「会社を設立した時の会計処理ってどう仕訳切ればいいの?仕訳例とあわせてわかりやすく教えて欲しい」

こんな悩みを解決していきます。

本記事の内容

  • 会社設立時の会計処理や仕訳の考え方
  • 資本金の会計処理
  • 創立費と開業費の違いと税務上のポイント

設立の会計処理は”設立登記”を基準に考えよう

「会社設立の会計処理はどうすればいいのか?」

そのポイントは会社を設立した時点にあります。なぜなら、会社設立前に発生した費用と、会社設立後に発生した費用で会計処理が変わるから。

会社法第49条によれば、会社は「設立の登記」をした時点をもって成立する、つまり法的効力を持つと規定されています。

(株式会社の成立)
第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

会社法第49条 – e-gov法令検索より引用

これから会計ルールを詳しく解説していきますが、会社を設立した時点の前後で会計処理は変わるということを念頭に入れておいてください。設立の登記をする前に発生した費用は何か、設立登記をした後に発生した費用は何かを整理しておくことが重要です。

会社設立時の会計処理をわかりやすく解説


会社を設立した後は、本格的に事業がスタートし、様々な取引をすることになります。そのスタート地点として、まずは会社設立の会計処理をしっかりとこなしましょう。会社の実態を適切に表すためにも必須です。

会社設立の会計処理の流れとイメージ

「設立登記」をすることで株式会社は成立するとお伝えしましたが、一度全体の流れを確認しておきましょう。

「設立登記前の準備→設立登記→設立登記後の準備」

これが簡単な会社設立の流れ。プロセスによって会計処理が変わるので、ここは絶対に理解しておきたいところ。

設立費用は創立費と開業費にわかれる

本記事の結論として、会社設立の会計処理は以下のようになります。

  • 会社設立前の費用:創立費として会計処理する
  • 会社設立後の費用:開業費として会計処理する

設立時点を基準にして、創立費と開業費とに区分した上で会計処理するということ。

創立費は会社成立前に要した一定の費用で、開業費は会社成立後に発生した一定の費用といったイメージになりますが、そもそもなぜこのように変わるのでしょうか?

これは、法務局への設立登記をすることで会社が成立する以上、登記前後で発生した費用の性質は異なっていると考えられるため。具体的な仕訳方法はこの後詳しくみていきますが、実務上は複数の選択肢(会計処理方法)から自社の状況に応じて選択することが多いです。

なので結構自由。これは創立費と開業費の税務上のルールが自由であること、会計ルールとしては原則処理と例外処理からの選択処理が認められていることの2つが主な理由です。

資本金の会計処理について

これから創立費と開業費の会計処理をみていきますが、会社成立に関連する「資本金」についても一応紹介しておきます。と言っても、資本金は法人口座にお金が入金された時点で以下の仕訳をするだけ。

【具体例】
新規に開設した法人口座に資本金100万円が入金された

【仕訳例】
(借方)現金預金 1,000,000 / (貸方)資本金 1,000,000

場合によっては手数料を考慮する必要がありますが、基本これだけです。簡単ですね。

創立費の意味と会計処理について

では、会社設立前の費用である「創立費」について解説していきます。

創立費の定義

そもそも創立費とは何なのか、企業会計基準委員会が公表している実務対応報告という資料から創立費の定義を引用してみました。

創立費とは、会社の負担に帰すべき設立費用、例えば、定款及び諸規則作成のための 費用、株式募集その他のための広告費、目論見書・株券等の印刷費、創立事務所の賃借 料、設立事務に使用する使用人の給料、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、 創立総会に関する費用その他会社設立事務に関する必要な費用、発起人が受ける報酬で 定款に記載して創立総会の承認を受けた金額並びに設立登記の登録免許税等をいう 。

実務対応報告第19号~「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」より抜粋

読む気すら起きない文章ですね。ポイントをまとめるとこんな感じ。

  • 創立費は会社設立前に支出した”設立に関連する費用”
  • 創立費としては一般的に定款認証手数料や登録免許税などが該当する

会社設立前に発生した費用が創立費と簡単におさえておきましょう。

創立費の会計処理

具体的な会計処理をまとめたものがこちら。

  1. 原則処理:支出時に全額費用(営業外費用)として処理する
  2. 例外処理:繰延資産として資産計上し、5年以内の期間に渡り定額法で償却する
  3. 税務上の処理:繰延資産として資産計上し、必要に応じて任意償却する

先ほども少し紹介しましたが、創立費は上記の中から自社の実態にあった方法を選択すればOKです。

創立費の金額にもよりますが、実務上は税務所の処理にあわせることが多い印象。なぜなら、利益(所得)が出ていない初年度に繰延資産として資産計上して、利益(所得)が出た事業年度に損金計上(費用処理)することで法人税をおさえられるから。

青色申告事業者であることを前提にすれば、原則処理にしたがって初年度に全額費用処理して、繰越欠損金としてプールする。そして翌年度以降の税負担を減らすといった方法でもいいと思います。

創立費の仕訳例

仕訳としては、以下のようなイメージになります。

【具体例】
設立費用として計20万円(定款認証手数料5万円、登録免許税15万円)を支払った

【仕訳例① – 原則的な処理】
(借方)創立費[費用勘定] 200,000 / (貸方)現金預金 200,000

【仕訳例② – 例外的な処理】
(借方)創立費[資産勘定] 200,000 / (貸方)現金預金 200,000
(借方)創立費償却  40,000 / (貸方)創立費[資産勘定] 40,000

【仕訳例③ – 税務上の処理】
(借方)創立費[資産勘定] 200,000 / (貸方)現金預金 200,000
(借方)創立費償却 100,000 / (貸方) 創立費[資産勘定] 100,000

自社のポリシーや状況に応じて選択してみてください。

開業費の意味と会計処理について

続いては開業費について。

開業費の定義

こちらも「そもそも開業費とはなにか」を確認しておきましょう。先ほど同様、実務対応報告から開業費の定義を引用してみたのがこちら。

開業費とは、土地、建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支 払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後営業開始時まで に支出した開業準備のための費用をいう。

実務対応報告第19号~「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」より抜粋

創立費の定義よりかはわかりやすいですかね。ポイントは太字部分ですが、こちらもポイントをまとめておきます。

  • 開業費は会社成立後から営業開始までの開業準備費用のこと
  • 名刺作成費用やホームページ制作費、その他経費などが該当する

先ほどの創立費は設立過程で発生した法定費用(設立するために法律で必ず必要となる費用)が該当するので、ある意味分類しやすかったです。一方で、開業費は開業準備のために要した特別な支出が対象となっているため、若干分類しにくい。

一般的には、名刺やホームページを制作するための費用、必要不可欠な経費などが該当するとおさえておけばいいでしょう。少なくとも、設立後に発生したすべての費用を「開業費」として計上出来るわけではない点には注意してください。

開業費の会計処理

開業費の会計処理についても見ていきましょう。実は創立費と同じ。

  1. 原則処理:支出時に全額費用(営業外費用)として処理する
  2. 例外処理:繰延資産として資産計上し、5年以内の期間に渡り定額法で償却する
  3. 税務上の処理:繰延資産として資産計上し、必要に応じて任意償却する

こちらも自社の状況にあった会計処理を選択していけばOKです。

開業費と創立費の違いとしては、開業費は「営業外費用」だけでなく「販売費及び一般管理費」としても表示することが認められている点です。かなりマニアックですが、ちょっとした違いもあります。

開業費の仕訳例

開業費の仕訳イメージがこちら。

【具体例】
設立後に名刺やホームページ制作費用あわせて計50万円を支払った

【仕訳例① – 原則的な処理】
(借方)開業費[費用勘定] 500,000 / (貸方)現金預金 500,000

【仕訳例② – 例外的な処理】
(借方)開業費[資産勘定] 500,000 / (貸方)現金預金 500,000
(借方)開業費償却 100,000 / (貸方)開業費[資産勘定] 100,000

【仕訳例③ – 税務上の処理】
(借方)開業費[資産勘定] 500,000 / (貸方)現金預金 500,000
(借方)開業費償却 250,000 / (貸方)開業費[資産勘定] 250,000

こんな感じですね。例外処理を使う場合、必要に応じて期間按分などしてください。

創立費と開業費の会計処理はまったく同じです。そのため、発生した費用がどちらに分類されるのかという視点が何よりも大切になります。

まとめ:会社設立時の会計処理は設立登記前後で変わる!創立費と開業費を理解しよう


本記事をまとめます。

  • 会社設立の会計処理は設立登記の前後で変わる
  • 創立費は会社設立前に発生した費用を処理する勘定科目
  • 開業費は会社設立後に発生した費用を処理する勘定科目
  • 会計処理には原則処理、例外処理、税務上の処理がある
  • 創立費と開業費の会計処理自体は同じ。会社の実態に即した方法を選択しよう

こんな感じですね。

繰り返しになりますが、ポイントは会社設立前後で創立費と開業費にわかれる点です。

基本的には会社の方針や実態にあった方法を選択すべきですが、会計処理に不安がある人は国税庁の担当官や顧問税理士に相談するようにしてください。会社設立時から会計処理を間違えると、その後半永続的に続く会社の決算書がボロボロになる可能性もありますからね。

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