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会社設立時の「会計処理」について仕訳付きで解説します

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こんにちは、TAKです。

以前、「会社設立手続き」に関する記事を書いたので、今回は設立時の会計処理について紹介していきます。

「会計処理」と聞くと、会計や経理に苦手意識を持っている方は「難しそう」と思われるかもしれませんが、ポイントを抑えた上で「実態」に即した処理をしていれば、実務上何ら問題はありません

この記事で紹介した内容をもとに、ご自身の決算処理や、税理士との打ち合わせなどに役立ててください。

【こんな人に読んで欲しい記事です】

● 会社設立に関する会計処理の考え方や仕訳を知りたい方

● 創立費や開業費の会計上&税務上のポイントを知りたい方

会計処理の基本的な考え方

まず最初に、会社設立に関する会計処理の基本的な考え方を見ていきましょう。

会社を設立するプロセスで色々な費用が発生しているはずなので、これらの会社設立費用をどのように処理していくかを判断出来るようにすることが今回の目的です。

会社設立費用をすべて「○○費」として処理出来れば簡単なのですが、会計ルールではもう少し細かく区分して処理することが求められています。

結論としては、「設立登記」時点を基準にして、費用を「創立費」と「開業費」とに区分します。
・ 創立費 ・・・ 法人の設立登記完了「前」に支出した一定の費用 (会社成立前の費用)
・ 開業費 ・・・ 法人の設立登記完了「後」に支出した一定の費用 (会社成立後の費用)

これは、法務局への設立登記をすることで「会社が成立」することになるためです。
つまり、「設立登記の前と後では、発生した費用の性質も異なるよね」といった考えに基づいてこのように規定されているということです。

「具体的にどうやって仕訳するのか?」については、この後細かく見ていきますが、実務上は「複数ある選択肢から自社の状況に応じて選択する」ことが多いです。ざっくり言えば「結構自由」ってことです。

これは、創立費と開業費に関しては「税務上のルール」が自由であることに加え、「会計上のルール」として原則処理と例外処理の2つが認められているためです。 後ほど具体的な会計処理の方法を紹介していくので、その中から自分の会社に適している方法を選択するようにしてみてください。

「資本金」の会計処理について

創立費と開業費の話をしてきましたが、会社成立関連という意味では「資本金」も含まれるので紹介しておきます。と言っても、法人口座に資本金が入金された時点で以下仕訳をするだけなので簡単です。

【具体例】 資本金の会計処理

【具体例】 新規に開設した法人口座に資本金100万円が入金された

【仕訳例】 (借方) 現金預金 1,000,000(※) / (貸方) 資本金 1,000,000

※ 場合によっては、手数料が差し引かれて入金されることも有 

特に難しく考えずに仕訳すればOKです。

「創立費」の意味と会計処理について

続いて、「創立費」について見ていきましょう。
企業会計基準委員会が公表している「実務対応報告」という資料から創立費の定義を引用してみます。

創立費とは、会社の負担に帰すべき設立費用、例えば、定款及び諸規則作成のための 費用、株式募集その他のための広告費、目論見書・株券等の印刷費、創立事務所の賃借 料、設立事務に使用する使用人の給料、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、 創立総会に関する費用その他会社設立事務に関する必要な費用、発起人が受ける報酬で 定款に記載して創立総会の承認を受けた金額並びに設立登記の登録免許税等をいう 。

実務対応報告第19号~「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」より抜粋

まあ小難しいですね。

創立費の意味としては、以下2点を知っておけば良いでしょう。

【ポイント①】 会社設立「前」に支出した「設立に関連する」費用

【ポイント②】 具体的に、「定款認証手数料」や「登録免許税」などが該当する

創立費の会計処理としては、以下の中から自社に合った方法を選択すればOKです。
(1) 支出時に全額費用(営業外費用)として処理する(原則的な処理)
(2) 繰延資産として資産計上し、5年以内の期間に渡り定額法にて償却する(例外的な処理)
(3) 繰延資産として資産計上し、必要に応じて任意償却する (税法上の処理)

実務上は、利益(所得)が出ていない初年度は繰延資産として資産計上しておき、利益(所得)が出た事業年度に費用処理する(3)の方法を用いるケースが多いようです。青色申告事業者であることを前提にすれば、初年度に全額費用処理しておき、繰越欠損金の利用で翌年度以降の税負担を減らす方法でもいいと思います。

仕訳としては、以下のようなイメージになります。

【具体例】 創立費の会計処理

【具体例】 設立費用として計20万円(定款認証手数料5万円、登録免許税15万円)を支払った

【仕訳例】 (借方) 創立費(費用勘定) 200,000 / (貸方) 現金預金 200,000

※ 原則的な処理を採用した場合の仕訳例

「開業費」の意味と会計処理について

続いて、「開業費」について見ていきます。
先ほどと同じく、企業会計基準委員会が公表している「実務対応報告」から開業費の定義を引用してみます。

開業費とは、土地、建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支 払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後営業開始時まで に支出した開業準備のための費用をいう。

実務対応報告第19号~「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」より抜粋

さっきよりはわかりやすいですが、「ふーん」といった感じですね。

開業費の意味としては、以下2点を知っておけば良いでしょう。

【ポイント①】 会社設立「後」から営業開始までに「特別に支出した」費用

【ポイント②】 具体的に、「名刺作成費用」や「ホームページ制作費」などが該当する

「創立費」には設立過程で発生した法定費用が該当するので分類しやすかったですが、「開業費」は開業準備のために要した特別な支出が対象となっているので、若干分類しにくい印象です。

一般的には、名刺やホームページを制作するための費用などが該当すると抑えておけばいいでしょう。
設立後に発生したすべての費用を「開業費」として計上出来るわけではない点には注意してください。

会計処理については「創立費」とほぼ同じです。

開業費の会計処理としては、以下の中から自社に合った方法を選択すればOKです。
(1) 支出時に全額費用(営業外費用)として処理する(原則的な処理)
(2) 繰延資産として資産計上し、5年以内の期間に渡り定額法にて償却する(例外的な処理)
(3) 繰延資産として資産計上し、必要に応じて任意償却する (税法上の処理)

少し細かい話ですが、「開業費」に限っては費用を「販売費及び一般管理費」として表示することも認められている点が「創立費」との相違点になります。

仕訳としては以下のようなイメージになります。

【具体例】 開業費の会計処理

【具体例】 設立後に名刺及びホームページ制作費として合計10万円を業者に支払った。

【仕訳例】 仕訳方法としては「繰延資産」として計上し、5年に渡って均等償却することにする。

① 繰延資産計上時 : (借方) 開業費 100,000 / (貸方) 現金預金 100,000

② 決算仕訳時(※): (借方) 開業費償却費 20,000 / (貸方) 開業費 20,000

※ 必要に応じて月割計算する必要有(この例では簡便的に1年分を償却)

創立費と開業費の会計処理は基本的に同じなので、「発生した費用がどちらに分類されるのか」という視点を持って仕訳をきれるようにしてみてください。

まとめ

今回は、会社設立時の会計処理について解説してきました。

初めて聞く言葉も多かったかもしれませんが、①会社設立費用は「設立登記時点」を境に創立費と開業費に分類されること、②会計処理は一括費用計上 or 資産計上&償却処理のいずれかを選択することを抑えておけば問題ありません。

「それでも会計処理に不安がある」という方は、国税庁の担当官や顧問税理士に相談するのがいいでしょう。
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では今回はこのへんで。